社名のシルバーブリットは、もちろん、あの 「銀の弾丸」の意味なのですが、名刺を出すと、多くの皆さんから社名について質問されます。質問は、大きく2パターンに分かれます。1つは、「シルバーブリットってなに?」というものです。もちろん、ソフトウェア業界以外の人も多いのですが、こちらが勝手にあの と思っているだけで、世の中的には、それほどでもないのでしょう。もう1つは、(たぶん)あの・・・ まで知っている方で、「Silver Bullet は、シルバーバレット(またはシルバーブレット)じゃないの?」というものです。とりあえず、一般的な回答をお借りしてきました。
ぎんのだんがん 【銀の弾丸】
俗に,ソフトウエアの開発プロジェクトにおいて,どんなに困難な課題も一気に解決できるような,幻の手法や理論のこと。
〔ソフトウエア技術者のブルックス(Frederick P. Brooks)が 1986 年に発表した論文「No Silver Bullet(銀の弾丸などない)」が直接の語源。「銀の弾丸は狼人間を一発で倒せる」とする欧州の伝説から,「魔法の解決策」をいう〕
三省堂提供「デイリー 新語辞典」より
bul・let [búlit]
━━ n. 小銃弾; 【コンピュータ】(項目リストの先頭に付ける)小丸.
bite (on) the bullet 〔話〕 歯をくいしばってこらえる.
bullet・headed ━━ a. 丸い頭の.
bullet・proof ━━ a. 防弾の.
bullet train (新幹線のような)超特急列車.
三省堂提供「EXCEED 英和辞典」より
gooのサイトの英和辞典には、発音の音声データもあります。
詳細は、 本 に書かれていますので、読んで頂ければと思いますが、こういうことだと理解しています。
I believe the hard part of building software to be the specification, design, and testing of this conceptual construct, not the labor of representing it and testing the fidelity of the representation.
No Silver Bullet - Essence and Accidents of Software Engineering
(conceptual construct の訳は難しいのですが、「頭の中で組み立てたもの」みたいな感じでしょうか?)
ソフトウェアが実現すべきものをこう頭の中で組み立てるわけです。これを細かく文章表現しようとしたり、図示化したり、試したり(って要するに実現できるレベルに落とし込みたいんですが、これこそ)が難しいのであって、プログラム言語で記述したり、プログラムのテストをするのが難しいのではない。ということなのです。
本質的に難しいのたから、いつもいつも開発するたびに大変だし、結局、ソフトウェアは何でもありで、作りたいものも Case by Case とすれば、特効薬みたいな「銀の弾丸」は無いのです。
The first step toward the management of disease was replacement of demon theories and numerous theories by the germ theory. That very step, the beginning of hope, in itself dashed all hopes of magical solutions. It told workers that progress would be made stepwise, at great effort, and that a persistent, unremitting care would have to be paid to a discipline of cleanliness. So it is with software engineering today.
No Silver Bullet - Essence and Accidents of Software Engineering
(順番が逆ですが、この例えがわかりやすいと思います。もうすでに上でもやっている勝手な訳ですが・・・)
医学の進歩の第一歩は、病気の原因が悪霊だとかいう信仰が細菌学に置き換わるところから始まりました。この一歩こそが、希望の始まりでしたが、なにか不思議な力で解決できるという夢は打ち砕かれました。治療の経過は(かなり努力した上で)段階的に進むものであり、衛生面への注意は絶えず払わなければならないことがわかりました。(要するに、魔法とかに頼ったりせずに、地道な努力が必要だということがわかりました。)これは今日のソフトウェア工学と同じです。(この論文がソフトウェア工学における細菌学の発見ということでしょう)
まず、conceptual construct は、いつでも本当に難しく、再利用できないものばかりなのか?という疑問があります。ソフトウェアの一般解としては、Brooks は正しいと思います。しかし、限られた分野であればどうでしょう。現在、各企業で開発されてるソフトウェアは、それほど複雑なものや特殊なものばかりでしょうか?
医学と悪霊信仰で例えるならば、未開の部族である病気が流行った時、その病原菌に効くワクチンを持った医者が現れれば、その医者の手の中にあるワクチンは、まさに「銀の弾丸」ではないでしょうか。
だとしたら、現実に困っている人のために1発でも多くの「銀の弾丸」を提供することも可能ではないでしょうか。